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サイレントセールス7つのポイント

サイレントセールス7つのポイント
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1 サイレントセールスとは?

聞きなれない言葉だと思いますが、サイレントセールスというのは私の造語です。
もともと無口で物静かな私が心がけていたことで、自分に無理せず営業をするにはどうしたらいいかを考えたものです。

これには3つの意味を込めています。

①しゃべらないこと

営業はしゃべる仕事だと思われがちですが、むしろ逆です。できるだけしゃべらないように心がけることで、より相手の心をつかむことにもなるのです。

②ツールを使うこと

相手に情報を伝えるためには、しゃべる以外にも方法があります。ツールを活用することでしゃべる以上に説得力を発揮することもできるのです。

③しゃべってもらうこと

相手の情報を引き出すことは、現在の営業スタイルでは不可欠です。営業よりも相手にしゃべってもらうことが重要です。

こう見てみると、弱弱しくて内気な営業マンの姿が思い浮かびそうですが、それでいいのです。昔ながらの強気にガツガツを攻めるスタイルが、だんだん売れなくなってきているこの時代。お客さまに求められているのは、上記の3つに当てはまる営業マンなのですから。

では、どうしてそうなって来たのでしょうか?

2 時代が営業の変化を求めている!

かつて、新しいモノを買うことが生活の目的だった時代がありました。カラーテレビを買ったら次は電子レンジ、そしてその次はエアコン、そしてクルマなど。暮らしのなかで欲しい商品がたくさんありました。世の中にニーズがあふれていたのです。

そんな時代の主な営業スタイルは、「他社よりも先にお客さまのところへ行くこと」でした。ある意味で早い者勝ちで売れたのです。根性とやる気で走り回り、大きな声で宣伝して回ることができる営業マンがトップ営業になれました。
情報をより早くたくさんの人に伝えることに努力をすれば、売れた時代だったと言えるでしょう。いつしかその努力と根性のスタイルが営業の手法だと思われるようになりました。

当然ながらそんな営業に向いているのは、明るく元気な性格を持った人たちです。
「営業」=「明るく元気」というイメージは、私のように正反対の性格の人間にはとっても厳しいものでした。
自分を偽ってムリに明るく振舞ったり、慣れないトークの練習を重ねたり、接待の席での面白話や一発芸などを徹夜で覚えたりもしました。いま思えば本来の仕事の知識を蓄えるよりも、それらに時間を割いていた記憶があります。

しかし、時代は変わりました。一通り欲しいものを手に入れてしまった世の中のニーズが減ってきたのです。同時に不況で買い物をしなくなりました。モノが売れない時代になったと言えるでしょう。
欲しくもないし、お金もないのに、ガンガン売り込まれても逆に迷惑なだけです。それまでトップ営業だった人たちは、売れなくなっていきました。モノがあふれている時代には、旧来の気合と根性の営業スタイルでは、もはや通用しないのです。

では、これからの時代に求められている営業とは、どんなタイプなのでしょうか?

3 強引な営業は嫌われている!

商品が売れなくなってくると、売っている会社は困ります。売り上げが落ちてしまいますからね。なんとか今までのように売らなければなりません。
そこで、まず行われたのが、「もっと頑張って売る!」という戦法です。それまでの何倍もの時間と量をこなして、なんとか売り上げをキープするというもの。多少の効果は出ますが、それまで以上に過酷な根性営業になるので、脱落者も出てきます。営業にだけはなりたくないという人も出始めます。

たとえば、営業される立場で考えてみてください。あなたのところに、強引に売り込みをかけてきて、何度断ってもあの手この手でしつこく食い下がってくる営業マンに対してどう思いますか?
根性あるなあ~、などとは思いませんよね。むしろしつこくされるほど不快になることでしょう。そんな経験は誰でもあります。いつしか「営業はうるさい」ものして嫌われているというのが半ば常識となっています。

次に行われたのが「テクニック主体」の方法です。電話やチラシ、FAXなど、今までにない手法を使って集客・販売するもの。これは爆発的な効果が上がるケースもありました。
ただ、それをみんなが真似するようになる頃には、当たり前の手法になり、徐々に効果も下がってしまうようになります。お客さま側も慣れてきて、「無料ですよ!」とか「キャンペーンですよ」などという使い古された言葉には、飛びつかなくなってしまいました。
テクニックはエスカレートすると、「だまし」や「詐欺」にまで発展します。営業する側もマヒしてきます。多少のウソや誇張は、売るためには必要なことだと勘違いしてしまうのです。そうしてだまされた人は、営業に対する不信感を高め、ガードを高くして警戒します。ますます営業しづらい世の中になっていくのです。

営業するのもツライし、営業されるお客さまも嫌がっている。でもお客さまってホントに買いたくないのでしょうか?

4 自分で選んで決めたい顧客心理!

不況だと言われていますが、大型電気店などを覗くと人がいっぱいです。みんな買い物をしに来ています。欲しいものは尽きません。確実にニーズはあります。
ただ、お客さまの買い方に変化が出ているのです。

現在、同じような機能を持った商品には、必ずと言っていいほど類似品が存在します。あなたの扱う商品にもありますよね。いわゆるライバル商品です。
お客さまは、自分が欲しい商品が出てくると、まず類似商品と見比べようとします。その心理状況は、「買いたいものがあるけど、失敗して後悔したくない」というものです。いろいろある中で自分にピッタリのものを、できるだけ安く手に入れたいと思っているのです。
家電を例にすると、日立の商品しか扱っていないお店よりも、東芝もパナソニックもシャープも扱っているお店に行きたくなるのは、いろいろと見比べて検討したいという心理が働くからです。

客心理として、ひとりの営業マンが商品を売りに来ても、たとえそれが欲しいものだったとしても即決しません。他社の類似商品も検討したいからです。
そうしていくつかの商品カタログを並べてみてから、自分で一番良いと判断したものを選びたがる傾向にあります。
ですから、営業マンがどんなに強引に商品をすすめても、どんなに上手なトークでアピールされても、お客様はその場で「YES」とは言わないのです。

このように、お客さまの購買行動も、時代とともに変わってきました。
それを理解したうえで、営業のスタイルも変えていく必要があるのです。 では、どうしたらいいのでしょうか?

5 営業マンの仕事はこれだけでいい!

従来のできる営業マンの姿とは、上手に商品説明ができる人のことでした。うまくそれができないと、なんだか頼りない営業マンだなと思われました。
営業マンはまず、上手に説明ができるように練習を繰り返します。商品のポイントや特徴をわかりやすく順番に説明できるまで憶えこむことが、最初の仕事でした。
客先に行って、憶えてきたトークをよどみなく話すことが大きな目的だったのです。

ところが、ここでも変化があります。商品説明という、いわば営業にとって最も重要と思われてきた仕事が不要になってきたのです。
いま、何か買い物をしようと思ったとき、多くの人はまずインターネットで調べてみます。そこには、商品のカタログに書かれていることのすべてが載っています。これまで営業マンが口頭で伝えてきたことは、ネット上で知ることができるのです。

相手がすでに調べて知っているかもしれない情報を、あえて営業マンが繰り返す必要はありませんよね。むしろ、知っていることを延々と聞かされたら、お客さまも迷惑です。しかも相手のほうが詳しいケースもでてくるのです。
これからの営業は、商品説明を上手に話す必要はなくなりました。
ではいったい何をすればいいのでしょうか。

これからの営業マンがすべきこと。それは同業他社との違いを明確にして、独自の売りを伝えることです。
お客さまが一番知りたいことは、ひとつの商品だけの説明ではありません。同様な商品の中から自分にピッタリのものはどれかということです。
それには同業他社の類似商品の情報も知っておく必要があります。他社との違いをきちんと説明できて、その上で自社の商品をアピールできることが、これからの売れる営業マンの最低条件です。
そして、最後に決めるのはお客さまです。その決断の手助けをすることが、営業マンのメインの仕事になったのです。

6 しゃべらないほうがむしろ売れる!

さて、ここでもう一度サイレントセールスの3つの意味を思い出してください。

①しゃべらないこと:

これは相手がすでに知っている情報はしゃべってはいけないということです。相手が必要としている情報以外はしゃべるとかえってマイナス効果となります。

②ツールを使うこと:

営業マンの言葉は、ウソや誇張が入っているので信用でいないと世間では思われています。そこで同じことを説明する場合でも、できるだけ口頭ではなく資料などのツールを用意して、それを使うようにすると説得力が増します。

③相手にしゃべってもらうこと:

相手が何を知っていて何を知らないのか。欲しがっているものは何なのか? それを知るためには相手からの情報が必要です。それには、自分でしゃべるのではなく、まずは相手にしゃべってもらうことを心がけましょう。

高度成長期やバブルが終わり、営業テクニックや詐欺まがいの手法が蔓延し、インターネットが普及し、そして長期不況のこの時代。昔ながらの営業スタイルが変化して当然です。
口のうまい営業マンが「なんだかうますぎてだまされそう」と逆に警戒されてしまったり、笑顔で近づく営業マンが「気味悪い」と避けられるこの時代。
もはや営業には、笑顔も元気も、そして強引さも必要ありません。
お客さまが求めているのは、ウソをつかずに、本当に信頼できて、自分に良い利益や情報を与えてくれる確かな存在です。
そう考えると、まじめで物静かな内向型の営業マンがそれに当てはまります。いままで営業には不向きとされていたことが、これからの時代にはむしろ強力な武器となってきます。
営業マンはしゃべらないほうがむしろ売れます。
その意味では、サイレントセールスというのは、口下手でも人見知りでも誰でもできることなのです。

7 ストレスを減らす営業こそ生き残る!

できればラクに結果を出したい。それは誰もが思うことでしょう。
ところが営業に関していえば、「努力と根性で売り上げを上げる」とか「歯を食いしばって我慢する」などが当たり前だとされている風があります。営業マンがストレスを抱えるのは当然だとあきらめている人もいます。
でも本当にそれでいいのでしょうか?
そんなストレスをこの先何十年も抱えながら仕事ができますか?
私は到底できません。人からちょっと文句を言われただけで落ち込んでしまう性格なので、耐えられないのです。

逆の立場で考えてみましょう。お客さまは、引きつった笑顔とカラ元気でやってくる営業マンを見てどう思うでしょうか? 頑張っているのはわかりますが、ちょっと付き合いにくい感じになりますよね。
お客さまは、いろんな営業マンをたくさん見ている、いわばその道のプロです。プロを相手に自分を偽って行っても、すぐにバレてしまいます。
だったらもう、ムリすることはやめましょう。
自分にムリな営業スタイルで行っても、ストレスがたまるばかりで長続きしません。その上、お客さまから見ても歓迎されるものではないのです。

これからの時代の営業は、ムリに営業マンらしさを演じることではなく、素の自分らしさを出して接するのが一番の近道です。
口下手な人だとしたら、うまくしゃべることに努力を向けるよりも、もっとお客さまのためになることに力を注ぐべきです。上がり症の人はそれを克服するための努力よりも、上がっても気持ちを伝えられる工夫をすべきなのです。
そうして自分にも相手にもストレスのない関係をつくることが、結果として営業成績アップ、さらにはお客さまからの信頼を生みます。
営業も人間関係のひとつです。そこでうまくやるためには信頼されないと前には進めません。余計な仮面を脱いで、素のままのあなたを出しましょう。自然体で接すれば、相手は心を開いてくれます。(終)